アクアリウムは世界一難しいロールプレイングゲーム

−fakeやtrapに気を付けろ−


このページはよしをのホームページのコンテンツの一部である「アクアテロリスト」コーナーの一ページです。
初めてこのコーナーに来られた方はこのコーナーの開設目的等をお知らせしているここをご覧になってから本文を見るようにしてください。

皆さんはロールプレイングゲームってご存じですか?
ご存じない方のために簡単に説明しますと、コンピューターゲームの一つのジャンルでプレーヤーはそのゲームの主人公となり一つの目的(世界を守るとかお姫様を助けるとか)を達成するために(敵と戦ったりしながら)自分自身を鍛えたりアイテムを揃えたりして、最終的には目的をクリアするという種類のゲームをロールプレイングゲーム、略してRPGと呼びます。
ドラゴンクエストとかファイナルファンタジーといったタイトルのゲームが有名ですね。

アクアリウムには敵は存在しませんし、戦いも起こりませんからアクアリウムとロールプレイングゲーム(以下RPGと記述)を結びつけるのは不謹慎かもしれませんが、敵=失敗、戦い=失敗からの回復を試みる事と考えると、それほど遠い例えでは無いだろうと思います。

アクアリウムとRPGを少しばかり強引に結びつけたところで本題に入ります。

今回の話のポイントは”難易度”という所です。
本物のRPGの特徴というのはその時々、プレーヤーのレベルに丁度合ったハードルが設定されているという事です。

今のプレーヤーの強さで丁度倒せるか倒せないか微妙な強さの敵が出現するように出来ています、そういう設定にすることによって、ちょっとの苦労をする事で今直面している障害を乗り越えることが出来、達成感を得ると共に自分の経験値も上がり強くなる。
強くなればまたそのレベルに丁度合った障害が待ちかまえている・・・
全体的にそういう設定に成っていてプレーヤーを飽きさせたり途中で挫折させたりしないようになっています。

良いRPGの条件というのは発生する障害のレベルの設定加減が非常に上手くできている事ではないかと思います。
あまりにも簡単ですらすら進んでしまっては達成感が有りませんし、難し過ぎてほとんどの人が途中で挫折してしまうようでもいけません。

きっとRPG制作をする会社ではプレーヤーを飽きさせず、そして諦めて離れていかない事を重点的に設計するのだろうと思います。

では何故アクアリウムは世界一難しいRPGなのかという事の説明に入ります。
それは”ただ単に難しいから”という事を表しているのではありません。

障害の難易度がスタート時に一番高いという事をとらえて私は”世界一難しいRPG”と言っているのです。
スタート時にそのゲーム最大の難関が待ちかまえており、それをクリアしてしまえばだんだんと発生する障害のレベルも簡単に成ってくると言う本物のRPGとは全く逆の世界なのです。

こんな事を言っているとアクアリウム歴数十年といったハイマニアの方に「俺は今でも難しい事にチャレンジしている、初心者の頃の簡単な問題を今俺が取り組んでいる問題より難しいなんて失礼なことは言うな!」とおしかりを受けそうですが、ここではRPGで言うところの目的を”ある程度綺麗な水槽を手にする”としてお話ししておりますので、その辺ご了承下さい。

日常的に自転車を乗りこなすことを目的と考えると、そこに達するまでの一番大きなハードルは初めにある”自転車に乗れるように成ること”であるかもしれませんね。
そう考えるとコツやちょっとした知識が必要な物事ってのは入り口が最も難しいっていう物は多いのかもしれません。

私のホームページに助けを求めて来るような人の中には、本当に身も心もボロボロって感じの方も少なくないです。
そういった人の中には「入り口でこんなに難しいのに(この先もっと難しい問題が待っているだろうから)ほんとに大丈夫だろうか?」と感じられている人も居ると思います。
もし自分がそれに当てはまるなら安心して下さい、今直面している難関が一番難しいのです、ちょっとしたコツと少しの知識を習得すればあとは簡単なはずです。

RPGには攻略本という、そのゲームの攻略の仕方をガイドした情報が市販されています。
人によっては「そういった情報を入手してゲームをプレーしても本来の楽しみが半減してしまう、だから攻略本などは使わない」という方も多いようですが、アクアリウムは世界一難しいRPGであることを認識し、是非ともプレーを始める前(水槽をセットする前)に一通りの知識を習得しておく事をお勧めします。
また、今現在情報や知識を得る前に水槽をセットしてしまって上手く行っていない方も、問題を解決し綺麗な水槽を持つためにはまず正しい知識と偏りのない多くの情報を手にすることが一番の近道となるはずです、頑張って攻略本を入手する事をお勧めします。

そうでなければアクアメーカーとアクアショップの良いお客さんとなり、多額の授業料を支払うこととなるばかりか多くの生き物の命を無くしてしまったり、草を枯れさせてしまったりする事となるのです。

本物のRPGの攻略本は書店に行けば手に入りますが、アクアリウムにおける攻略本は書店やアクアショップでは手に入りません。
しかし、自分なりに努力することでインターネットなどを通して無料で入手する事が出来るはずです、自分のアンテナを使って情報収集から始めましょう。


それからもう一つ声を大にして言いたい。
それは入り口で最も難しいハードルをさらに難しくするfake(まやかし)やtrap(罠)が多数存在するという事です。
それは何処に存在するのかというとアクアリウムのマーケットに存在します。

金食い虫の水槽でも記述しましたが技術力が無く正しい分析や判断が出来る知識が無い事を知っていて、最も高いハードルに苦労している所につけ込み、本来必要の無い物や、受ける効果に支払うにはあまりにも不釣り合いな価格の物を、それを使えばさも上手く行くようなうたい文句で待ちかまえています。

入り口の一番高いハードルで苦労している人は藁にもすがる思いで、ショップの店員の言葉や商品の効能の欄の記載を信じて(もちろん全てが嘘であるわけではありませんが)次々とfakeやtrapにかかるという訳です。

この様な書き方をするとアクアリウムのマーケットに存在する商品や関わる人々や団体は非常に悪意を持った物であるような印象を受ける方も居るかもしれませんので、少しだけ弁解しておきますが、けしてそれらの商品やそれに関わる人や団体は悪意が有ってやっているわけでは無いです、ただ商品を買ってもらって利益を出し、その利益を大きくすることを追求した結果、現在のような構造になってしまったんだと個人的には思います。

性善説で見るならば、善良なアクアメーカーは入門したばかりのアクアリストが初めに最も大きなハードルを越えなければ成らないのを知って、少しでもそのハードルを低くしてあげようと、ある薬品を少しだけ高い値段で販売しました。
しかし善良なアクアメーカーはそこだけではなかったため各社から色々な商品が多数販売されるように成りました。
結果アクアメーカーは他社の製品より自社の製品を買ってもらおうと、その商品の効能を記述する文言がエスカレートしていきます。
「場合によっては効果が無いこともあるが、多くの場合は効果があるはずです」という記述からは”場合によっては効果が無いこともある”という記述はその製品のマイナスイメージを与えるので取り去られます。
結果、どの製品を見ても製品のうたい文句はとても素晴らしい効果があり、それを使った水槽は一つ残らず美しくなる、またはその製品を使わなければいけないような印象を与える表現をするようになる。
その結果それらはアクアリストにとってfakeやtrapに成る。
チャンチャン

fakeやtrapが多数有る中「その中から本当に有効な物を探し出してやる」という意欲と探求心の有る方はどうぞ色々な商品を買って下さい。
そうでない方はfakeやtrapが多数存在することを知り、アクアリウム用品(特に消耗品)を購入する場合は特に注意し、不要な消耗品は買わないようにしましょう。

ちなみに私が必要だと思う消耗品は

だけです。
もちろんこれ以外の消耗品が私にとって必要無いのは技術や知識が有るからではありません。
本来必要な物ではないからです。

くどいようですが最後にもう少しだけ説明しておきます。

私はアクアリウムのマーケットに存在するfakeやtrapという表現をしているものは、アクアリウム用品そのものだけを指しているわけではないですし、もし私がfakeやtrapだと思う商品が有ったとしても、それらの商品そのものに全く効果がない詐欺商品であるという言いがかりを付けているわけではありません。
アクアリウムメーカーの言い分からすれば、自社の商品は害があったりするわけはなく、れっきとした効果が有る!それを”まやかし”や”罠”と称するとはどういうことか!と激怒されるかもしれませんが、もしそういう人がこの文章を読んでいるなら私は次のような質問をしてみたいです。

売る側・作る側の立場でこれを読んだ人が居たなら、是非とも自分の良心に従って自問自答して欲しいです。

私はアクアリウム用品で商品のうたい文句に反して全く効果が無い物(要するに詐欺のレベル)はほとんど存在しないと思っています。
1ミリでも効果が有れば嘘ではないと主張できるでしょう、でも結局使っても使わなくてもそれほど結果が変わらない物を、さもそれを使えばどんな水槽だって良くなるような印象や、それを使わなくてはダメだというような印象を与え販売する事は全く問題が無いと言いきれるのでしょうか?

それにあわせて、特定の環境下では期待した結果にならないもの、特定の環境下で効果を発揮した事をあたかもどの水槽でも同じようになるようなうたい文句で販売すること。
そういった行為が入り口の大きな難問に取り組んでいる初心者を混乱させる原因になっている事は確かじゃないでしょうか?
私はそういった結果を招いている事実をとらえてfakeやtrapと表現しているのです。

アクアリウムは非常に素晴らしい世界だと思います。
だから私は水槽に水を入れた人一人残らず全ての人に初めのハードルで挫折することなく、その素晴らしさが分かるところまで来て欲しいと思います。

日本のアクアリウムメーカーとアクアショップの全てが同じ様な気持ちを持ったならその時こそfakeやtrapの無いマーケットが出来上がるでしょう。


アクアテロリストインデックスページへ