正しい情報を入手するには
疑いの目を持ちましょう

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アクアリウム課外授業の一つ目のページで”なるべく多くの情報を入手して〜”と書きましたが、今回はその情報を入手する上で知っておかなければならない事柄についてです。

アクアリウムをやっている人なら一度はアクアリウムに関するハウツー本やアクアリウムの雑誌を購入した事が有ると思います。
頻繁に買っている人もあまり買ったことがない人も、その記事内容を思い浮かべてみて下さい。

アクアリウム用品に関する批判めいた記述や異なるメーカーから発売されている同じ機能の製品を比較するような記事は一切無いはずです。
もともと、メーカーの広告ページ以外にはアクアリウム用品に関する記述という物自体があまりないので気が付かないかも知れませんが、よくよく観察してみるとそういった事実に気が付くはずです。

同じ様な視点で車に関する雑誌を見てみると、アクアリウム雑誌とは正反対に、たいがいの雑誌では1冊で少なくとも1記事はメーカー別の比較テストなどが載っています。
我々消費者は車本体を買うにせよ、関連パーツを買うにせよ、タイヤを買うにせよ、そういった比較テストの情報を見ながら自分が購入する物を検討できるという事になります。

アクアリウム雑誌でもそういった情報が存在したならどんなに便利でしょうか!
CO2添加用のレギュレータを購入するときにアクアリウム雑誌が「有名メーカー5社のレギュレータを比較テストする」なんて特集記事があれば、購入時の検討に非常に役に立つはずです。

また新しく出された製品も「カタログ通りの結果が得られるかテストする」なんて記事が有っても良いでしょう。

我々にとって、もしそういった情報が有れば非常に有意義ですが、現実に目を向けると何処の出版社のどんな雑誌や書籍であろうとも、何処を探してもそんな情報は見つからないでしょう。

何故なんでしょうか?
出版社も購読者にとって有効な情報を載せれば載せるだけ購読者も増えると分かっているはずなのに、あえてそういったことはしません。

理由は簡単です。
そういった出版社の第一のお客さんはその雑誌に広告を出してくれるアクアリウムメーカーやアクアリウムショップなどであるからです。
我々購読者は二の次のお客さんというわけです。

我々購読者に好かれるかどうかも勿論大切でしょうが、何よりもお得意さまであるアクアリウムメーカーに気に入られて広告を出してもらうというのが一番大切なのです。

非常に残念な事ですが、これもマーケットが小さく売り手側が主導権を握っている事の一つの結果であります。

アクアリウム雑誌はアクアリウムメーカー等の売り手に都合が悪いことはわざわざ注意しなくても自主的に公表しないようにしてくれます。
そういった世界で成長してきたマーケットとメーカーであるために、それが常識であるといった風な体質を持っていることも確かです。

アクアリウムメーカーの中にはこのページのように個人が発信する情報で自社や自社の製品を悪く表現することに制限をさせたいという意志が有るメーカーまで存在するようです。

道ばたで話しているオバサンでさえあっちのスーパーは安いとかあの八百屋の商品は良くない等と商品や売り手の批判や評価をしています。
アクアリウム用品についてもそういった情報が自由に言える、自由に聞けるという状況であっても当然だと思うのですがなかなかそういった状況ではないようです。

アクアリウム雑誌の情報でさえ先に述べたような状況ですが、アクアメーカーの広告内容や商品パッケージの能書きはどうでしょうか?

まあ、どうにかして自社製品を買ってもらおうというセールストークですから、もちろん自社製品の欠点なんて有るわけはなく、あの製品もこの製品もどれ一つを取ってみても、それを買って使うことでどんな水槽でも必ず素晴らしい水槽になるかのような文章になっているはずです。

その上そういった商品の能書きの多くは結局の所理論的に効果を述べているように思わせて、実は理論的ではなかったり、科学的に効果を証明しているように見せかけて、実は科学的では無かったりと非常に上手く作られている場合も少なくありません。

でもよくよく読んでみると、結局その製品が”良い物”であることをただ言っているだけで、それを裏付ける証拠や証明は一切無い場合も多いですね。

言ってみれば
メーカー「この商品は良いですよ」
購入者「へ〜、どうして良いんですか、その理由は?」
メーカー「良いから良いんですよ!」
と・・・
言い換えてみればこんな状態です。

その効果などを理論的・科学的に証明できない理由には成分や構造を公表していないという事から来ているのかも知れません。
アクアリウム用品には成分や構造を公表している物はまず存在しませんが、なぜ存在しないんでしょうか?
もちろん明記することが義務づけられていないのでメーカーは表示する必要はないのですが、それ以上に成分を公表するとその商品がたいした物ではないということが明らかになってしまうという事もあると思われます。

たとえば塩素中和剤に成分表示が有りそこに”チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)”なんて書いてあったら「なぁ〜んだ、ハイポを水で溶かしただけの商品かぁ・・」と正体がばれてしまいますからねぇ・・

しかし、日本のアクアリストはいい人揃いなのかメーカーが言う「この商品は良いですよ〜」という言葉をいとも簡単に信じてしまう人が多いようです。



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