蛍光灯半年交換説
−例外はいつも都合が良い−

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皆さんは水槽に設置している蛍光灯、どのぐらいで交換していますか?
いまだにおまじないのごとく半年毎に交換している人も多いのではないでしょうか?

もし現在あなたが3ヶ月や半年で蛍光灯を交換している人なら、その理由を自問自答してみて下さい。
その理由は何ですか?

光量が落ちるからですか?
それとも昔からそういわれているからですか?

結論から言いますと、世の中のアクアリストの中で3ヶ月や半年で蛍光灯を本当に交換しなければならないような環境の人は1%未満しか居ないのではないかと思います。
特に蛍光灯の交換タイミングを自分で見極めることが出来ずに使用期間の目安を人に教えてもらわなければならないようなビギナーなら、まず100%切れるまで使っていて問題無いでしょう。

それなのに世の中のアクアリスト3ヶ月や半年で蛍光灯を交換している人の多いこと・・

まず蛍光灯の光量を科学的にきちんと測定すると、確かに使用開始から3ヶ月程度で光量は90%程度に下がるらしいです。
そして半年で80%程度に下がるらしいです。
但し、それ以後光量の低下はだんだんと落ち着いていき最後の切れる直前の蛍光管で80〜70%程度の光量を維持しているらしいです。

確かにこの数字だけを見ればそれぞれ3ヶ月、半年、切れるまでという3つの目安が存在する事が分かります。
でもはたして1割や2割光量が下がっただけで蛍光灯を交換しなければならないようなシビアな環境ってどんな環境でしょうか?
もし本当にそういったシビアな環境を維持しているとすると、私なら4灯の蛍光灯を5灯や6灯に変更したり、蛍光灯以外の照明設備に変更するなどして、そんなぎりぎりの限界を常に続けなければならないような状態とは早めにおさらばするようシステム変更を行うと思います。

その上技術集で紹介しているような反射板を取り付けたり蛍光灯そのものの汚れをこまめに拭き取ったり、ガラス蓋の汚れを換水の度に綺麗に掃除するだけで、お金をかけずに1割や2割の光量を稼ぐことは簡単に出来ます。

よく3ヶ月や半年で蛍光管を交換している人でガラス蓋を掃除していないために水跳ねやホコリでガラス蓋が真っ白になっているような人を見かけますが、そんな状態では3ヶ月や半年で蛍光管を交換するのはおまじない以外の効果はまず無いと思って良いでしょう。

ではなぜ、半年(3ヶ月)という交換サイクルが半ば常識のようにいまだに言い伝えられているのでしょうか?
さすがにこれだけは10年ぐらい前の白黒2色印刷の熱帯魚の技術本(ハウツー本)にもこの交換サイクルが記載されていたりしますので、現在の儲け主義のアクアリウムのマーケットを取り巻くような人達が作り上げた物では無さそうです。

推測するにそういった情報の出所は熱帯魚飼育というのが日本に紹介されたときに海外の超マニアの環境をお手本にしたためとか、そういった事が原因ではなかろうかと思います。

でも現在でもほぼ常識のように半年(3ヶ月)で交換するという目安が浸透しているのは、やはりアクアショップやアクアリウムメーカーの指導のたまものなんでしょうねぇ・・
でも、その様な半年(3ヶ月)で交換することを指導しているような人達(または組織)にその理由を問いただすと、きっと「そういった特殊な環境の利用者も居るでしょうから・・・」と返答が返ってきそうです。

私の常識から判断するとそういったごくまれに存在する特殊な環境の人なんて、そんなのは”例外”としてひとくくりにされ話の対象とならないと思うんですがねぇ・・
そういった指導をしている側の人間に限って、おたくのショップ(メーカー)の指導の通りやったら上手く行かなかったと言われたときに、「そういう特殊な場合も有るんですよねぇ・・お客様のような環境は例外ですね」と言われるんでしょう。

まあ、いつも例外は都合良く利用され、ある時はその例外のように特殊な環境が標準的な事とすり替えられ、ある時はその製品を使っても上手く行かない過半数の環境を、その製品が予想している環境とは違っているので例外扱いされたりします。

賢いアクアリストは良心的で技術力がしっかりしているショップを見分ける方法として、アクアリウムショップの人間に「蛍光灯は半年で交換した方が良いと聞きましたがそうなんですか?」と聞いてみるのも良いでしょう。
もし「そうです」とか「ほとんどの人がそうしてますねぇ」なんて答えが返ってくるショップは皆さんの顔が福沢諭吉に見えている店員でいっぱいですから、さっさとお店を後にしましょう。
「ほとんどそんな必要はないですね」とか「お客さんの環境がよっぽど特殊でシビアでない限りはそんなにこまめに交換する必要は無いですよ、育てている水草はどんな種類ですか?」と言ってくれるようなショップは第一段階クリアですね。



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