「デュプラ」
読み:”でゅぷら”

解説

ヨーロッパのアクアメーカーの老舗。

アクアリウム用具全般を取り扱っているが日本ではかなり高価な事もあってあまり流通していないが、水銀灯などの照明関連とドライ濾過用の濾材は比較的有名。

ヂュプラのドライ用濾材は小さなプラスチックの球体のボール状の製品。
淡水ではあまりポピュラーでないが、ドライ(ドライタワー)という濾過方式がある。
濾材は完全に水中に水没しているのではなく、箱の上からシャワーのようにボールの濾材に水槽の水が降り注いでいる。

原理としては水の流れを多方向に分散、流速低下させ、水が空気に触れる時間を長くとっている。
つまり好気性濾過細菌への酸素供給(ある種のエアレーション)という意味あいが最も強いと私には思われる。

複雑な骨組み構造のボール表面に濾過細菌が増えるというのがデュプラの主張であるが、プラスチックの表面は多孔質でないのは明確で、ドライ使用の場合は、おまけに水没していない。
もちろんボールを外部濾過装置の中に入れてという使い方もあり、マカロニ型セラミクス濾材メーカーの「多孔質な濾材の表面にバクテリアが繁殖」という主張と食い違うのが興味深い。

複雑な立体構造を持つ、プラスチックボールそのものは例えば家庭用浄化槽とか、風呂・プール等。何らかの生物濾過を行う浄水システムを持つ設備では、その効果も立証済みのポピュラーな方式であると言える。

濾材が目詰まりしないというメリットは球体構造から見て、もちろんであろうが、デュプラボールを使用した濾過システムの場合、水槽の循環水路のどこかにウールやスポンジによる物理フィルターが別に必要になるのは当然であろう。

熱帯魚用の生物濾過性能を期待する濾材において、マカロニ型セラミクスでもプラスチックボールでも、同様の効果を発揮するならば、濾材が多孔質かどうかは、バクテリアの繁殖にはあまり関係なく、単に、複雑に水を流れさせて、流速を低下させた環境が水槽の循環システムのどこかにあれば良いと言うことになると思われる。

解説者:よしを、iseki(井関)

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