よしを’S質問箱(Deep編)
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Q1029.金魚と水草の共存について
【久野さんからの質問】
よしをさん、はじめまして。
よしをさんのHPで色々と学ぶ事が出来、大変感謝してます。

私は、訳有って2ヶ月前から金魚と水草の共存した水槽を目指してます。アクアリウムに関しては全くの初心者です。子供の頃に網で近所の小川から掬って来たヒブナ、タナゴ、ホトケドジョウなどを飼育していた程度で、水草の経験も有りません。当時の飼育本には濾過バクテリアに関する記述などは無かったこともあり、濾材を水道水でピカピカになるまで洗い、換水も水道水を直接ドボドボと・・・恐ろしい飼い方をしてました^^;
過酷な飼育環境にもかかわらず、全滅せずに生き残ってくれた魚たちには、本当に感謝してます。

今回、金魚と水草に関して勉強を始めたところ、驚きの連続でした。金魚飼育に関する書籍4冊を購入(金魚関係の書籍を片っ端から購入)して読むと、濾過バクテリアの話が・・(目から鱗が落ちました^^;)。さらにCO2添加の話が載っているではありませんか(時代の流れを感じました^^;)。

一通り読み終わって観賞魚の店に行くと得体の知れない薬品類が沢山並んでる・・・(うたい文句は良い事が書いて有るものの、どの様にしてその効果が得られるのか、中身は何なのか、さっぱり分かりませんでした^^;)、それにもかかわらず、ハイポすら置いてない!?水草なども名前と値段が書いてあるだけで、どういう特徴を持った水草なのかも全く分からず、敷居の高さを感じ、何も買わずにそそくさと退散しました(片っ端から店員に聞くわけにもいかないですしね^^;)。

自宅に帰って、さっそくインターネットで調査を開始したところ、「ネイチャーアクアリウムでは云々〜」と記述してある某HPに遭遇、熟読してみるものの理解不能・・・一般のアクアリウムと一体何が違うのだろう(今考えれば、私の理解力が不足してる訳ではなく、もっともらしく記述された「ネイチャーアクアリウムでは云々〜」という説明の方に問題が有ったようです^^;)。なんだか非科学的で怪しげな世界だな〜、本質を見抜くのは大変そうだ〜と感じていた時に、幸運にもよしをさんのHPに辿り着きました。HPを隅々まで読ませて頂き、色々と勉強させてもらいました。当初、熱帯魚の種類はグッピーとアロワナしか分かりませんでしたが、Q&Aを読んでいるうちにコリドラス、テトラ、アルジイーター、プレコ、ディスカス、クラウンローチ、ガー等も姿形が想像出来る様になりました^^

本当に有難うございます。

前置きが長くなり申し訳ないですが、これからが本題です。まず、私が目標としている点は次の通りです。
1.金魚と水草が共存する、水の透き通った水槽を得る(主役は金魚、底面積の6割程度を水草にする)。
2.その水槽を、初心者が容易に低コストで実現出来る様に、指針を作る。
3.アクアリウムに関連する広範囲な知識と経験を短期間で得る(器具の使用感、業界の仕組み等も含みます)。

実は、まだ水槽を立ち上げていません(水槽台を発注中です^^;)。
現在の状況は以下の通りです。

水道水のpH6.8〜7.0、水道水を煮沸・冷却後のpH8.2
水槽:ニッソー スティングレー 60×36×30cm
濾過器:エーハイム2213(ビリーフィルター用替えスポンジをストレーナーに装着・・・素直にP1フィルターの方が良かったかな?)
濾材:シポラックス1.5L(煮沸・水洗・浸け置き、pH8.4)
低床:大磯(細目)10kg 食酢処理・水洗・浸け置き、pH7.0
ヒーター:150Wコンパクトサイズ
照明:20W×2にするか、20W×3にするか悩み中(初心者の多くは20W×2を選びそうなので、あえて20W×2で挑戦して問題点を実感しようかとも考えてます。20W×3はアヌビアス・ナナには強すぎるみたいだし・・・)
CO2:ジャレコ製レギュレター、GEX製逆流防止弁、テトラ製バブルカウンター、ウッドストーン(ドリマスボンベは未入手)

HPを一通り拝見し、疑問に思う点が有りましたので、質問させて頂きます。

  1. HPを拝見したところ、水草中心の水槽では魚中心の水槽よりも濾過を強化して換水頻度を多目にする、という印象を受けました。しかし、魚中心になれば水の汚れも早くなる為、綺麗な水槽を維持するためには濾過と換水を水草水槽より強化する必要が有ると思うのですが・・・もしかして、魚中心水槽だと、少々苔が生えたり水に透明感が無くても仕方ないという事でしょうか? 水草は、悪く言うと使い捨てという感じなのでしょうか? 金魚と水草を共存させ、水も澄んだ状態にしようというのは無謀な挑戦でしょうか?
  2. 外部濾過器の中に濾材を詰めたタッパーを入れ、嫌気性濾過を実施しようと考えてます。タッパーは濾過器の下部に設置すべきか、上部に設置すべきか、或いは中央に設置すべきか悩んでます。硝酸→亜硝酸→窒素 と還元されるので、タッパーを上部に設置すると水槽内の亜硝酸濃度が上がりそうですし、タッパーを下部に設置すると酸素濃度が硝酸イオンや亜硝酸イオン濃度よりも高くなって効果的な嫌気性濾過が実施されないのではないかと悩んでます。よしをさんはどの位置に設置されてますでしょうか? また、シポラックス1.5Lは硝化能力は十分だと思うのですが、脱窒を効果的に行うにはシポラックスの量を増やした方が良いでしょうか?
  3. 水槽に入れる水草として、アヌビアス・ナナ、ミクロソリウム、ウィローモス、アナカリス、バリスネリア・スピラピス、カボンバを候補に入れています。パイロットプランツとしては、スピラピス、アナカリス、ウィローモス、ナナを入れようと考えてます。他に金魚との共存に適した水草は有りますでしょうか?

 質問は以上の3点です。
A1029.回答です
質問1について
>もしかして、魚中心水槽だと、少々苔が生えたり水に透明感が無くても仕方ないという事でしょうか?
水草水槽とは水草を綺麗に育てる為に、あまり生体を飼育せず水草を沢山植えている水槽のスタイル。
魚中心と言うのは逆に、流木や石または作り物や飾りを入れ、水草などはあまり植えたりしない水槽。
というのが基本的分類と考えてください。

上記分類では魚中心の水槽の場合水槽の汚れや苔は掃除すれば解決できます。
取り出して洗ったりガラス面をこすったりすれば良いわけです。
一方水草に苔が付いた場合は一部の場合を除いて取り出して洗ったり、こすって落としたりする事は出来ません。
簡単に言えば水草に苔が付いてしまえば水草はもう終わりなのです。
そのため水草水槽では生体を健康に飼育できる水を維持するだけではなく、さらに苔の発生が押さえられる水を維持しなければ成らないのです。

勿論、魚中心の水槽であってもコンテストに出品するような生体や、繁殖が難しいような難種の魚や特別なワイルド個体を飼育するような場合も、難しい要因はそれぞれあるので一概に水草水槽は水質がナーバスで、魚水槽はどうでも良いというような事を言っているのではありません。

しかし、そういった特別なマニアが踏み込む域で無い場合、前述の通り魚中心の水槽なら苔が出てもさして問題に成らないのに対して、水草水槽では苔が沢山発生すればそれだけで成り立たなくなるということです。

今回は魚も居るし水草も沢山育てたいという希望ですので、考え方としては水草水槽の場合と考えた方が良いです。
水草水槽に通常よりも多くの生体を入れるという考え方です。
そういうふうにイメージした方が今後色々な事に対処する時に考え易いと思います。

さらに言えば、今回目指しておられるのは水草水槽に通常よりも水を汚す要因が増えている特別な環境と言って良いでしょう。
即ち、通常の水草水槽よりさらに難易度は高くなります。

>金魚と水草を共存させ、水も澄んだ状態にしようというのは無謀な挑戦でしょうか?
多くのマニアの方が水草水槽に泳ぐディスカスというのに憧れられ、いろいろとチャレンジされています。
私にはそれを実現して長期にわたって維持しつづける事は不可能ではないかと思うのですが、それでも中には成功していると(あくまでも自称ですが)仰っている方も居るようです。

ディスカスといえば飼育水の温度が高く、餌や排泄物は大変なもので水は相当に汚れ易いです。
それでもチャレンジしている人は居ますので、金魚プラス水草ならそれよりも実現しやすいと思います。
但し、何度も言いますが通常の水草水槽よりも難しいでしょう。

質問2について
脱窒については、実施そのものをあまりお勧めしません。
きっと、研究するとか試しにやってみるという場合を除いては、実施するコストや労力、または上手く行かなかった場合の副作用などに比べて、実現できたときの見返りがあまり無いと思うからです。
言い換えればマニアが暇つぶしや自己満足の為にやる事だと言っても良いと思います。

なぜなら脱窒などしなくても換水を行う事で全てが解決するからです。

海水水槽のように換水そのものに大きなコストが掛かるとか、水族館のように換水を行うのが物理的や経済的に困難な場合は別として、一般的な淡水水槽で水道水がそのまま換水に使えるような環境では換水を行う事が何よりも良い薬になります。

昔からアクアリストの中では「換水に勝る対策なし」といわれます。
技術と知識の習得の為にあえて実施されるなら良いですが、初心者が容易に低コストで実現出来る事を目指すなら、まず何よりも換水の大切さを忘れず、換水の実施を厭わない事だと思います。

もし実践された事をどこかで公開したり初心者の方へ指導したりするならば、換水こそが何にも勝るという事を忘れないよう強調していただければと思います。

以上の事を承知であえて脱窒も経験や知識の習得としてやってみるというなら、チャレンジしてみるのも良いでしょう。
しかし、残念ながらやってみた結果を数値的に判断するというのが難しい分野です。
水の汚れが激しく硝化が進むにつれpHが目に見えて低下するような環境なら、変化が分かり易いでしょうが、そうでない環境ではなかなか変化や効果が目に見えて分かるという事も無い場合がほとんどです。

そういう理由も有ってか、アクアリストの中で脱窒に関して「やり方はこうだ」と言うような定説や一般的な実施方法が確立されていないのが現状です。
ですので実施の方法は試行錯誤でご自分の推理したようにやるしかないでしょう。

嫌気的環境を作るのなら硝化槽を抜けてきた水のほうが実現しやすいということが有りますが、還元槽のバランスが崩れた場合に還元槽から排出されるものを直接水槽に入れないために、バイパスフィルターを設けるのなら硝化を行う場所の前段にするのが良いらしいです。
しかしそうするとなかなか嫌気環境を実現しにくい・・・
個人的には独立した経路で海水水槽に用いるカルシウムリアクターのような、装置内だけで水が循環し、給水と排水はポタポタ垂れる位の速度で、ごくゆっくり行うような機関を用意して、そこからの水を通常の濾過経路へ導くと言うやり方が良いのではないかと思います。

いずれにしても試行錯誤でチャレンジする事ですね。
そういう意味でそれ自体を楽しむ為にチャレンジしてみるマニアも多い様です。

質問3について
ディスカスと違って水温が特殊でも有りませんし、金魚なら水質も特殊ではないでしょうから、特に組合せとして合うとか合わないというものも無いと思います。
ただ、金魚の場合加温は行わない場合もあるようですので、加温を行わないなら冬場に低水温になりますので、それに耐えられる種類とか1年草は使わないなどの注意は要るかもしれません。

個人的には生体が金魚という事で、水草水槽との組み合わせはあまり一般的ではありませんので、その辺を逆手にとって何らかの方向性を持たせたレイアウトにするのも良いのではないかと思います。
一例をあげると、やはり魚が日本のものなので、水草も日淡と呼ばれる日本の川に自生するような種類でまとめて、全体的に日本の昔の野山をイメージできるようなレイアウトとか、逆にエキノやアヌビアス、クリプトなんかを多用してアマゾンやアフリカ系レイアウトに存在感のある金魚と言うのも、ミスマッチな感じでなかなかよいのではないかとも思います。

また金魚や鯉は上から鑑賞するものと言う通説を利用して上から眺める水草レイアウト水槽と言うのも良いと思います。
私も何度か知人宅で上から眺める事が出来る水草水槽を見せてもらいましたが、見慣れた水草水槽とは全然違って子供の頃川で遊んだそんな気分が湧いてくるような素晴らしいものでした。

いずれにしても、その辺は水草水槽の大きな楽しみの一つですので、是非とも自分で色々と想像して、多くのショップを巡ったり雑誌やインターネットで水草の写真を沢山眺めてイメージを膨らまして、自分らしいレイアウトを考えてみてください。

アヌビアスやミクロソリウムなど成長の遅い陰性植物は富栄養水槽では苔にやられてダメに成る場合が多いです。
水が汚れ易い環境では成長が早い草を多様した方が、苔に対する耐性と水槽の栄養分の消費と言う意味でよいのではないかと思います。

照明は20W×2にした方が後からもう1機20W×2が追加できるのでよいと思います。
(20W×3だとそれ以上追加し難いので)
  • 2004/02/10 かっぱさん さんよりご意見情報投稿

    個人的意見として聞いてください。
    まず、金魚と水草って共存できるのでしょうか。
    金魚ってかなり悪食です。口に入るものなんでも食べます。
    金魚藻といわれるマツモを入れたら一晩で茎にされた経験を持ちます。
    ナナぐらいなら食べられないかもしれませんが、他の種類はどうでしょうかね。
    また、水槽に付いたコケを定規でそぎ落とすと、そのそばからそぎ落としたコケの破片をついばみ、次の日緑色のうんこをつけるといった具合になります。
    金魚のふんという言葉があるぐらい金魚は水を汚します。水草水槽の住人には向かないと思うのですが。
    脱窒濾過についてですが、7年ほど実践してみた経験から述べさせていただきます。
    確かにpHが下がるのを防ぐ働きをします。
    脱窒濾過をしてない水槽に比べ明らかにコケの発生は抑えられています。
    生体に大きな影響はない模様です。(ただし、うちの場合コリドラスだけはうまくいきません)
    これは、換水も併用しての話です。プレコがいるので底砂の掃除が欠かせないため、結果として換水することになります。窒素酸化物NO3は試験紙で検出しないレベルです。
    まあ、総合的に見て管理が楽になったのは事実です。
    欠点として、pHが上がりすぎてその対策が必要になったことです。
    換水がpHを下げるために行ったいるといっても過言ではありません。
    海水の場合は都合が言いようです。(ショップの親父談)また、濾過に必要量の嫌気性細菌を飼うには専用の餌(濾材)が必要でそれの価格が高い。
    また、漏水事故などの危険を考えたら、外部濾過器にタッパを入れてるのはやめて専用の脱窒濾過器を使われたほうがいいと思います。

    質問の趣旨と離れた部分も有りますが、気づいたことを書いてみました。

  • 2004/04/12 しびるえんじにあ さんよりご意見情報投稿

    はじめまして。

    じつは、わたくし2年ほど前まで、金魚と水草の共存を目指して、3年間ほど悪戦苦闘を繰り広げておりました。
    多くの人がそうであるように、はじめの一歩は、娘が金魚すくいでゲットした、『金太郎』君を買うことが始まりだったのです。
    学生時代に熱帯魚に詳しい友人がいましたので、彼のアドバイスを思い出しつつ、プッシュ式のCO2や、バクテリアの元、アクアセイフ、外部フィルターなどを武器に戦って、惨敗を繰り返しておりました。
    当時の様子は、とにかく『コケだらけ』この一言に尽きます。
    水草もある程度成長するのですが、それを上回るあらゆる種類のコケのスピードには勝てず、水草を導入しては苔にまみれさせ、捨てていました。
    今にして思えば、ろ材を月に一回水道水でガンガン水洗いを行ってしまったことが最大の敗因と思い当たります。
    皆さんも、『いったいなんでそんな間抜けなまねを』と思われるかもしれませんが、とにかく金魚を飼っているとろ材が汚れるのです。
    飼育水で、洗うべきというアドバイスは、昔に受けていたのですが、当時は、『水の中にバクテリアがいる』と大きな勘違いをしていました。
    それでも、必死になぜコケが減らないのだろうと、自分なりに、努力していました。その努力が、いろいろな薬品を使うことであったり、半年に1回蛍光灯を換えることであったり、ろ材を月に一回きれいに洗うことであったのです。

    3年間飼い続けて『金太郎』君でしたが、長期出張の間に亜硝酸濃度が限界を超えてしまったのでしょう、天国に召されてしまいました。
    それからはじめての掃除の際(ほかにカージナルテトラを飼っていました)汚れていないフィルターにびっくりしたことを覚えています。

    その後、半年して『インターネットで熱帯魚のことを調べよう』と思いつき、ページにたどり着いたことは、まさに天啓を受けた、と言うに相応しい幸運でした。
    この場を借りてよしをさんにお礼を述べさせていただきます。『大変ありがとうございました』

    そして、いま久野さんに送る私のアドバイスは、『フィルターはでかく、プレフィルターもでかく、金魚は少なめに』です。
    皆さんの、熱帯魚ライフにがよきものであることを願っております。

  • 2004/04/13 ひろけん さんよりご意見情報投稿

    古い話題上げてすみません、ネットめぐり中に気になる話題でしたので送らせて頂きます。
    金魚と水草の共存は出来ます!簡単ではないですが私は数年前から頑張ってます。
    今では同士も増え専門のHPをあげている人もいます。
    http://www6.ocn.ne.jp/~chamber/
    私のHPではないですが同士ですご覧下さい。
    金魚と水草、諦めずに頑張れば可能です!少ないですが仲間もいます、頑張って欲しいです。

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