よしを’S質問箱
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Q93.よしを流育成技術(スタイル)について
【YMDさんからの質問】
よしを流水草育成技術についての確認です。
よしをさんは、水草育成(苔防止)する上でのポイントは、「水槽の水を貧栄養状態に管理すること。」と発言なさっていたと思います。
このような状態にするポイントには、
1)底床への肥料や液肥のコントロール
2)適度な換水
3)十分な水草
等有ると思いますが、その中によしをさんの提唱されている、十分な(容量の大きな)ろ過システムも含まれますか?
言葉を変えれば、十分すぎる、ろ過能力は、水槽にどのような影響を与えますか?是非教えてください。

なぜ、そのような質門をしたか...と言いますと。
パワーサンドスペシャル×2、アクアソイル×3で2.5ヶ月前にセットした90×45×45の水槽で、貧栄養状態と見受けられる事象が、発生しました。
ろ過は、エーハイム2227(Wet/Dry)と2213の2系統(両方とも使用していたものからの移設で、新規立ち上げで無い)つまり、ろ過は、かなり出来上がっていて、容量的にもゆとりが有ると考えられる環境です。
ソイルセット時にも巻き上がり等無い様、十分注意しました。
その水槽で、苔防止の為にセット後1ヶ月に投入したリシア、タヌキモ(両方とも浮かせておいた)が、十分な光があるにもかかわらず、ほとんど成長しませんでした。水温は28度です。
まるで、水の中に養分が無い状態の様な....植えている有茎類は、良く育つ...
ただし、2ヶ月後、ロタラマクランドラの赤がイマイチ、パールグラスの頂芽がつぶれる。(これらは、STEP2の添加により解消しました。)
また、同じ水を使用している隣の60cmでは、これらは、良く育つ...

このような現象が見られました。
もしこれが、十分なろ過や草、換水による一種の貧栄養状態ならば、それは、それで良し...とするべきでしょうね。後は、液肥等の肥料をコントロールすれば、良いのですから...一種の「貧栄養状態での育成スタイル」の完成になると思います。

しかし、パワーサンドスペシャルとアクアソイルでセット後2ヶ月でリシア等の浮草が、育たないほどの威力では、少し強力すぎるような気もします。
最近、2227をWet/Dry運転から、常時Wet運転に変えてみました。
しばらく様子を見てみます。

Co2は、ドワーフアンブリア、ダッセンのエウステリアスsp。が、若干、間延びする程度入っています。ですから、2227のWet/Dry運転によるCo2の拡散は考えにくいです。

あと、2227にシポラックスを使用しています。シポラックスは、Wet用ろ材と聞きましたが...この辺に問題あるんでしょうか?

他に、60cmと90cmの違いは、照明、立上げ時期ぐらいです。
60cm:蛍光灯(4灯):約8ヶ月前に立上げ
90cm:東芝ネオアークビーム70w(狭角)×2:水面から約70cmで使用:約2.5ヶ月前に立上げ
A93.濾過と肥料分
「よしを流」と言うほどではありませんが、私が考えている水草育成のポイントはたぶんYMDさんの仰る通りで間違いないと思います。

余裕のある濾過が育成ポイントに入るかどうかとなると難しいですね。
余裕が有るかどうかは別にして濾過が完全に出来上がっているというのはアクアリウムの基本ですからそういう意味ではポイントの一つです。
さらにベアタンクなどでは苔がはえても魚が元気で体色が良かったり繁殖したりする事を重視して管理される(苔が付いたら洗えば良い)のに対して、水草水槽では苔が水草にはえてしまう事は魚水槽での魚の死と同様ですから、そういう意味では魚メインの水槽に比べて大きめの濾過や高い頻度での換水を行うことが定石とされていますので、それもポイントの一つだと言えるでしょう。

そしてそれにもまして十分な濾過が有る上で余裕のある濾過が水草育成のために必要かというと、必ずしもそうではありません。

私は個人的には通例の水草水槽に対する濾過よりさらに一回り大きな濾過を用いることを好みますが、それは、夏場に温度上昇によって水質が悪化したりバクテリアの活動が弱ったときにそれに耐えうるだけの余裕が有ると言うことや、メンテナンス間隔を長くとれるなどの有利なポイントが有るためです。

YMDさんは大きめの濾過によって肥料分が無くなったと心配されているようですが、たぶんそんな心配は無用だと思います。
大きすぎる濾過によってアンモニアを食い尽くしたバクテリアが肥料分を消費するということには結びつかないからです。
また濾過能力が過剰すぎる場合はバクテリアアパートの空き部屋が多くなるだけのことで、コストパフォーマンスとしてみれば過剰投資をして無駄にはなりますが、それ以上の事は無いはずです。

今回直面されている特定の草が育たないのは肥料分が少ないというよりも、その草の生長を阻害する何らかの原因が有るのではないかと思います。
一番可能性があるのがアクアソイルの使用初期に起きるpHの低下です。
その他特定の元素が不足していたり、はたまた水槽全体のバランスがまだ安定していないために水質に何らかの問題があるのかも知れません。

取り敢えず、パワーサンドを使ってセットしているなら現時点で肥料分の3大要素である窒素・燐酸・カリは不足している事は無いと思いますので、慌てて追肥したりするのはお勧めできません。

過剰な濾過でも3大要素を異常に消費するという心配はありませんので心配しないで下さい。
またリシアなどが育ちにくいことについては、もうしばらくして水槽が安定期に入ってから原因を特定した方が良いでしょう、現時点では原因を突き止めるのはかなり難しいですから。

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