よしを’S質問箱
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Q325.バイパスフィルターについて
【拝師甲太さんからの質問】
よしをさんのHPをいつも見ています。ありがとうございます。ところで『よしを'S濾過話』にありました嫌気性濾過の実施方法にありました゛バイパスフィルターを用いる方法"の・・・・・・バイパスフィルターと呼ばれる特殊な濾過経路?、??バイパスする経路??この「バイパス」とはどういうものなのかもう少し詳しく教えてください。ちなみに他のHPも見たのですが、あまりに難しい説明だったので理解できませんでした。やっぱり、よしをさんのが解かりやすくて頼りになります。

A325.バイパスフィルター
嫌気性濾過というのは、(一部の商品を利用する場合を除いて)実施する方法がなかなかはっきりしていなかったり、実施できたからといってそれが目に見える形で何の改善につながるかどうかが今ひとつはっきりしていなかったりという事があるので、人によっては「それで?」という結論になるような場合も少なくないようです。
ですから、”水槽周りにやるべき事は全てやってもう手を打つところはない”とか、”どうしても濾過にだけはこだわってアクアリウムをやりたい”という、マニアックな人には良い題材かもしれませんが、それ以外の一般的な人にはそういう理論や方法が有るんだという知識程度にとどめておいてあまり深入りせず、どちらかといえば通常のメンテナンスや育ててみたい生体や草の知識の方に興味を向けられるのが良いと思います。

ということでとりあえずは簡単にご質問されている内容にお答えしますと

「バイパス」というのは言葉の意味からすると「迂回」という意味がありますが、アクアリウムで言う「バイパスフィルター」というのはまさに通常の濾過装置を流れる水の経路に迂回路を作って一部の水を通常の濾過装置とは違う濾過装置に流れ込ませるようにしたものをバイパスフィルターと呼んでいます。

なぜ迂回経路を作って別な装置に流れ込ませないと嫌気性濾過ができないかということは通常の硝化が好気性濾過という反対語にも近いような別名を持っていることからも想像できます。

好気性濾過というのは酸素を必要とし、そのために通常のフィルターでは水槽の全水量が1時間でフィルターを1〜30回程度循環するぐらいの速度で水を通します。
その反対に嫌気性濾過の場合は酸素が存在しない環境で行われるため、水槽水に必要とされる容存酸素濃度が邪魔になります。
従って嫌気性環境を作るためにはどうしても密閉された場所でごく少量の水槽水をゆっくりと循環させ好気性バクテリアの活動によって酸素が消費され、その結果無酸素状態になった水を作り出す事が必要と考えられています。

このようにフィルターを流れる水の量が好気性濾過と嫌気性濾過では全く違うため嫌気性濾過では通常の濾過経路とは別の経路を設ける必要があり、その別経路の濾過機構のことをバイパスフィルターと呼んでいます。

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