よしを’S質問箱
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Q426.CO2と酸素の関係
【YOUさんからの質問】
最近パワーフィルター(フルーバル203)を購入・設置後、2週間立ったので上部濾過装置を撤去しました。当然上部で使っていた濾剤はパワーフィルターに入れております。所が、翌日全部の魚が鼻上げし、テトラ等弱い魚が全滅しました。ニッソーのCO2電気システム900を全開で使用しておりましたので、酸素不足だったのだろうと感じております。今はエアレーションとCO2を同時で供給しておりますが、この当たりのバランスはどうすればいいのでしょうか?又、調べる方法などがあれば教えていただけませんでしょうか?

詳細
60センチ規格水槽
魚類グッピー5匹
グラミー5匹
プレコ2匹
コリドラス10匹
ヤマトヌマエビ10匹

今回死亡した魚
ネオンテトラ20匹
エビは大丈夫でした

水草
ハイグロ
グロッソ
ウイローモス
アヌビアスナナ

宜しくお願い致します
A426.水草水槽とエアレーション
まずは、CO2だとか何だとかを考える前に、熱帯魚飼育の前提に付いて考えてみましょう。
熱帯魚を飼育するためには残留塩素などが存在しない水と、それを一定の温度に保っておくための保温装置と、濾過が機能している濾過装置と、魚が呼吸するための水槽水中の溶存酸素が必要です。

この4つが全て揃っていなければ魚は生きて行けません。
今回のケースは単純に4つ目の要素である溶存酸素濃度が低下したためでしょう。

ではなぜ不足したのでしょうか?
電気式のCO2発生装置のせい?
いえCO2発生装置のせいではありません。
たぶん現状の状況でCO2発生装置とエアレーションを同時に止めるとまた同じ結果になるでしょう。

ようするに今まで上部濾過装置が稼動していたものを外部濾過装置に変更したため、上部濾過装置の濾材部分で実施されていた空気の巻き込み作用が無くなったため、水槽システムの中に酸素の供給を行う所が無くなり、その結果水中の溶存酸素濃度は消費されつづける一方となり、酸素濃度が極端に下がった結果だろうと思います。

従って今までエアレーション装置無しで上部濾過装置を稼動していた場合、外部濾過装置に変更するならばそれなりのエアレーション効果を何処かで別に準備しなければなりません。
エアポンプを買ってきてエアレーションを行うというのが一般的ですが、外部フィルターの排水部分でシャワーパイプを水面より上に出して、そこのシャワー効果で空気を巻き込むという方法も簡単です(水面を叩く音が耳障りであるという場合も有りますが・・・)
ディフューザーを使うというのも良いでしょう。

以上が基本ですが、一般的に水草水槽ではCO2添加をしているため、上部フィルターではなく外部フィルターを使用し、CO2の拡散防止のためにエアレーションしたりシャワーパイプを水上に出したりといった事は極力しないようにします。
ではなぜそのような環境で酸素不足にならないのでしょうか?
それは光合成を行う水草が沢山存在し、日中に照明の力とCO2の力で大量の光合成を行い酸素を供給しており、日中水草によって供給された酸素によって翌日までの必要な酸素が全てまかなえるという状況であるためです。
従ってそういった事が可能なのは、元気に光合成する水草が水槽の中に沢山存在する場合のみで、そうでない場合は日中の酸素を水草から供給できたとしても、翌朝までには酸素が不足してしまうという事も有り得ます。
そういった心配のある場合はタイマーでCO2添加が停止する時間帯だけエアレーションを行うという対応をされている水槽も有るようですが、pHの変動が大きくなるなど気を付けなければならない点も有るので、出来るならば夜間のみのエアレーションはしない方が良いと思います。

以上のような事を十分理解した上で、水槽の中の住人(酸素の消費者)と水槽の中の光合成している元気な水草の量(酸素の生産者)の状態を考えて酸素の生産者の方が非力である場合は何処かで人為的なエアレーションを行う必要が有るでしょう。

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