よしを’S質問箱
分類 @@#アクア一般#@@
Q484.換水のタイミングについて教えて下さい
【J_BOYさんからの質問】
初めましてよしをさん。
アクアリュームにはまって8ヶ月位の初心者です。
いつも、すごく参考にさせてもらってます。

質問なんですが、本とかHPなんかでよく見かける定期的な喚水(週何回とか)
この定期的な喚水って、何の目的で、何を根拠にしてするのでしょうか?
具体的に何々の数値が何々を上回ったら(下回ったら)とかって言う物があるのでしょうか?
今まで、喚水をしたことがありません。
超初心者的な質問とは思いますが、教えていただけませんでしょうか。
よろしくお願いいたします。

これからも、頑張って下さい。応援しています。

A484.換水の目的
非常に良い視点での疑問だと思います。
なんでも当たり前的に言われていることでも、その理由や根拠をはっきりさせて疑問を解消しようと言う姿勢は、これからアクアリウムを行って行く上で必ずプラスに働くと思います。

さて、換水の目的ですが、最も大きな理由は硝酸塩を水槽外に出す為でしょう。
アンモニアなどの水槽内の有毒物質は濾過装置の中のバクテリアによって分解されアンモニア→亜硝酸→硝酸塩へと変化します。
硝酸塩はほぼ無毒の物質ですがそれも大量に蓄積した場合は生体に有毒な状況にもなります。

自然界では生態系の中に硝酸塩を吸収したり、分解してさらに窒素ガスなどにしてしまう働きを持ちますが、水槽では今現在その部分の濾過を行う仕組みや方法がまだ完全には確立されていないため、自然界では全てが処理されそして繰り返されるという窒素サイクルの輪が完全にはつながっていないのです。
ゴミ焼却場はゴミを燃やして処分しますが、どんなに素晴らしい焼却施設でも最後には灰が残り、その灰は埋め立て地などの最終処分場へ捨てられます。
灰を捨てなければゴミ焼却場には灰が貯まり、最後にはゴミが消却できなくなってしまいます。
それと同じ事が水槽で起きるわけです。

また硝化が進むにつれて硝酸塩の蓄積とともにpHの低下も発生します。
放置するとどんどんとpHが下がり続け、もしかするとpHは5かそれ以下にまで下がることも有るでしょう。
そうした場合通常換水に使う水のpHは中性付近ですから、あまりにもpHに差がある水で換水した場合は急激なpH変動で魚にショックを与え、場合によってはショック死したり、そこまで至らなくとも病気を誘発したりします。

そう考えると硝酸塩が蓄積し、どうしようもなくなるまでには必ず換水しなければなりませんし、換水するためにはあまり硝化が進んでpHが下がりすぎてしまう前には換水してpHを維持した方が良いということになります。

以上の内容が換水を行う最低限の理由と言えるでしょう。
そう考えると硝酸塩濃度とpHを監視し、硝酸塩濃度が生物に危険なレベルまで上昇するかpHが水道水より0.5程度下降した段階で換水をするべきと言えます。

しかしながら、その他の問題点としては苔があげられます。
苔はガラス面に生えた場合、それを掃除して落とさなければ折角の水槽も鑑賞できなくなりますし、水草水槽の場合は草の葉に苔が生えるというのは致命的な事であるため、なるべく苔を少なくする必要があります。
硝酸塩は苔の発生に影響があると言われますし、換水を行って水槽水に存在する栄養分を捨てることで、苔の発生を押さえることが出来ます。

従って通常の水槽では美観を含めて苔の発生を押さえるため、またはそれを掃除して苔を落とすために前述の硝酸塩が蓄積しすぎないためやpHが降下しすぎないためといった理由よりもはるかに頻繁な換水を行います。

この場合、どのぐらいの頻度で行うべきかという指標は特にありません。
測定すべき値もありませんので、水槽の状況を見ながら自分の根気が続く範囲内で換水の頻度を決定し、それをいつまでも続けていくことが出来なくては成りません。
水草水槽では1回/週などと言われることが多いですが、学生や社会人など色々な立場の人たちでも、ある程度そのための時間が割けて、そしてそのサイクルを何年という単位で続けていけると言うことを考えた場合にはそれなりに妥当なサイクルではないかと思います。

もし今まで換水を行っていないのなら水はどの様な状態でしょうか?
もちろん窒素サイクルの輪を繋げることを目標に、無換水水槽を作られる場合も有りますし、場合によっては窒素サイクルなど関係なしに換水しない水槽を楽しまれる方も存在しますので、絶対に換水をしなければならないと言う理由は有りませんが、もし一般的な水槽を目指しているのなら換水は行った方が良いです。
また現在ではpHがかなり低下していることも考えられますので、換水を行うときには水槽水のpHと水道水のpHを測定してあまりpH変動が大きくない範囲内で少量の換水を繰り返し、少しずつpHを水道水に近い状況に近づけて、通常のpH値になってから適正な換水サイクルで換水を行うようにしてください。


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