よしを’S質問箱
分類 @@#CO2#@@
Q737.CO2は本当に有効か?
【匿名希望さんからの質問】
「http://www.fujigoko.tv/○×△(いちおう伏せ字にしておきます)/howto/how5.html」ここのページを見てください、この記事を見ると水換え後の気泡は光合成によってできた副産物ではないと言うことになります。
知り合いの聞いてみると、水道には水圧がかかっているので空気がより溶け込みやすいのです。
水草水槽に水道水を入れると気泡が発生しますが、あれは光合成の産物ではなく、減圧したために溶けていられなくなった空気です。
と言う 答えが返ってきました。(ちなみに水道局の人に聞いたらしい)これに対しどう思いますでしょうか?

A737.水道の溶存ガス
ご連絡いただいたwebページは見ませんでした。
そのページは見ないでこの回答を書いております。
なぜならご連絡いただいたページを見てそれに対する回答を書いたとして、それをそのページの作者が見たなら反論や間違いの指摘をされたような気分になって嫌な思いをされてしまうかもしれないからです。
ですので、今回は匿名希望さんが書き込まれた質問の文章のみを見てそれに対して回答させていただきます。

仰るとおり水道水には酸素や二酸化炭素を含めて通常以上に溶存ガスが溶けています。
水道水から直接水換えを行うと水草の葉のみならずガラス面などにも多くの気泡が付きますが、これはご指摘の通り水道水が蛇口から水槽に入れられることによって圧力が減少し、その結果溶存ガスが気泡となって現れた物です。

よく入れたてのお風呂に入ると皮膚の表面に気泡が沢山付くことがありますがあれと同じです。
もちろん風呂桶の中には光合成するような物は入っておりませんので、間違っても光合成で出来上がった酸素だとは言えないでしょう。

ところが、そうやって水換えを行った直後の水草水槽を見てみると、あちこちの水草から小さな気泡がツーっと白糸のように一列に登っていくのが見えます。
またトリミングしてカットした葉の根本など植物のカット面からも同様の気泡がどんどん出て行くのが見つかったりします。
これらは全て水道水の溶存ガスが目に見える気泡と変化した物なのでしょうか?
蛇口から水槽に注がれた水が圧力を失って溶存ガスが気泡となって現れた物と考えると、ある特定の葉の先から気泡化が連続して起こるというのは考えにくいです。

また水道水を直接水槽に入れず、汲み置きしてエアレーションなどを行い、過剰な溶存ガスを全て排出した水を使って換水を行っているような環境でも、きちんとした設備下でリシアなどを育てた場合、換水をしていない日でも毎日酸素の気泡を見ることが出来ます。
よって水草の光合成によって作成された酸素が水槽内で気泡となって水草の葉に現れるという現象は紛れもない事実なのです。

水道水から直接換水した場合に見られる気泡は多くの物が圧の減少により気泡へと変化した溶存ガスですが、それが全てではなく水道水に加圧されたために溶けている二酸化炭素が水槽に供給されることによって溶存二酸化炭素濃度が上昇し、その結果水草の光合成活動が活発になる事に加えて、同時に水道水の加圧のために溶けている酸素も水槽に供給されることによって溶存酸素濃度も上昇するという結果に成るため、水草が光合成で作成した酸素は酸素濃度が飽和状態なので水に溶けにくくなり気泡と変化するという事象も同時に起こっているのです。

日頃から申し上げております通り、水草の酸素の気泡を見るためには設備を整えCO2を添加するだけでは駄目なのです。
水槽水中の溶存酸素濃度を上げ飽和状態にし酸素が水に溶け難い環境を用意する必要があります。
その為にはどうすればいいのでしょうか?
まさかCO2とO2を両方添加するなんて方法を考えた人は居ないですよね?
もちろん、そうすれば常時水道水で換水しているのと同じ現象が作り出せますが、やり方としては安直すぎます。
多くの人はもうお気づきでしょうが、元気良く光合成する水草を沢山植え込んで水草の光合成活動によって溶存酸素濃度を上げさせれば良いのです。

どんなに元気に光合成して酸素を沢山作り出している水草でも、水槽の中に1本だけ植わっている状態では絶対に気泡を見られません。
水槽の中を元気な水草で一杯にすることが大切なのです。

よって
水換えで見られる気泡は水道水に溶けているガスが気泡化したものか?
→それもありますが、幾分かは水草が光合成により作成した酸素の気泡も含まれます。
水草が光合成活動をして酸素の気泡を付けるという事はあり得ないか?
→上記の水道水で直接換水をした直後の物を除き、多くは通説通り水草が光合成によって作成した酸素が気泡となった物である。
と言えます。


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