よしを’S質問箱
分類 @@#器具#@@
Q827.サイフォンの原理の防止について教えてください
【匿名希望さんからの質問】
はじめて質問させていただきます。
オーバフロー濾過槽を自作しまして、今のところ順調に動いています。が・・・
ちょっと心配事がありご相談させていただきました。

というのは、水槽からの排水部分を水槽側面に穴をあけ、エルボーを付けてストレーナーを下に伸ばしています。
水をまわしてしばらくしたら、濾過槽のポンプ槽の水位が下がってきていたので水の排水量が少ないのかな?と思い、水槽内のエルボー下の所からをはずしてみましたらゴーと言う音とともにすごい量の水が濾過槽に落ちていきました
そこでストレーナーを元に戻してしまったので、サイフォンの原理?で水槽内の水がストレーナーを通してどんどん落ちてきてしまい、あっという間に濾過槽からあふれ出してしまいました。
その後、濾過槽の水を徐々にポンプから送り飼育槽に入れ直しました。
それ以来2日間は無事に回っていますが・・・・

それで質問なのですが、
このままの状態でそのうちサイフォンの原理が働いてしまうことはないでしょうか?。
水槽内のエルボーの上に穴をあけたらどうか?
などと思ってるのですが、どうお考えでしょうか?
現在それが心配でしかたがありません。

ちなみに水槽は180×60、あけた穴は50パイで、その上部まで水槽の水が来ています。濾過槽は120×45、穴から排水口までの高低差は60センチ、ポンプは毎分49りg/分。

長々と申し訳ありませんがどうぞよろしくお願いいたします。

A827.オーバーフローとサイフォン
文字だけの説明なので今ひとつその水槽の構造がどのようになっているのか分からないのですが、話の内容からすると下の絵のように成っていると解釈しました。


このような状況では正しいオーバーフロー構造とは言えません。
オーバーフローとはその名の通り”あふれ出る”という事ですので、水槽から濾過槽へ流れる水は、ポンプにより濾過槽から水槽へ送られた水によって本水槽の水量が増加し、その増加分が水槽の縁やオーバーフロー用のパイプの高さを超えてあふれ出て濾過槽に戻るという原理です。
従ってポンプを停止しても本水槽から水が排出され続けるような構造になっている場合、それはオーバーフロー構造をしていないということになります。

上記の絵の構造なら当然本水槽から濾過槽へ排水される水はサイフォンの原理によって、ストレーナーの再下端に水位が下がるまで水を排出し続けてしまいます。
このような構造ではサイフォンの原理によって本水槽から排水される水量とポンプによって濾過槽から本水槽へ戻される水量がバランスしている場合、一見問題なく稼働しているように見えますが、何らかの要因でそれらのバランスが崩れると濾過槽から水があふれ出すか、逆に本水槽から水があふれ出すかの重大な水漏れ事故に繋がります。
バランスが崩れなくとも留守中に停電が有った場合も同様の現象に成るでしょう。

ということで、まずは完全なオーバーフロー構造にすることが必要です。

水槽の側面に穴を開けたのなら単純にストレーナーを付けずにその穴から水をあふれ出させればオーソドックスなオーバーフロー方式になります。
ショップの水槽などでこのような方法をよく見かけますよね。
そのまま一段低くして横に置いた水槽へオーバーフローさせ上段の水槽で魚を飼育して下段の水槽で水草販売用の陳列を行うというようなレイアウトをよく見かけます。

ストレーナをセットしたのが水面からの排水ではなく、水槽の下層からの水を濾過槽へ送り込みたいという意図なら、下の絵のようにaの箇所に直径2cmぐらいの穴を開けるだけで解決します。

当然ストレーナを取り外しても、またaの箇所に穴を開けてもどちらの場合も水槽側面の穴の最下部が水槽の水位となります。

よしを’s質問箱トップへ

よしを’sホームページへ