サイクロキータ病

サイクロキータとトリコディナは同じと思って下さい。
理由は、近縁種であり同種として取り扱っているためです。

原因と特徴

 原生動物である繊毛虫類のサイクロキータ(トリコディナ)が体表寄生することによりなる病気です。発生は年間を通じて見られ、水温が高くても低くても繁殖します。この繊毛虫は主に体表に寄生する表面寄生虫ですが、鰓に入ると急に死亡しますから要注意です。

 寄生する箇所は鰓、口腔、体表、鰭、尿管、膀胱、鼻腔で多岐に渡りますが、たいていはいずれかの一カ所だけに限定寄生します。淡水魚ばかりではなく海産魚(海で生まれた魚)でも見られます。がこの場合の寄生場所は主に鰓です。トラフグやヒラメ等に大量寄生された例が割とあるようです。

 体表寄生では上皮組織から栄養をとるのですが、それを食害することはないようです。しかし、体表面に大量寄生されると上皮細胞の炎症や粘液分泌が起こりますから魚体へ刺激があり影響も出てきます。
 鰓寄生の場合は魚体が衰弱し、大量寄生されると呼吸困難となり死亡します。
しかし、鰓の細胞破壊はなく鰓組織の異常が認められないケースもあるようです。
どういうことかと申しますと、表皮細胞の崩壊したもの又はそこに付着している細菌類を食べていると考えられています。

症状

 動作が鈍くなり食欲がなくなって痩せてきます。体表に寄生されると、粘液が白くなり、うっすら白い膜を被ったように見えますが、見えない場合もあります。
食塩水で薬浴するとハッキリとした白色の部分が見える時がありますから薬を使う前に試してみると良いでしょう。この時は1ミリ以下の白点状になって複数(数えられないほどに)体表に部分的に寄生しているのが解ります。
 鰓に寄生すると呼吸困難となり死亡率は高くなります。この場合は鰓から白い粘液が出てきます。鯉や金魚では比較的幼魚に被害が出ています。
これも粘液を100倍程度の顕微鏡で見ると円形の車輪のようなものが動いている姿を確認できます。

治療法

鯉や金魚では

  1. 食塩水3%で10分間の薬浴(塩分濃度を上げる場合は時間を短縮する)
    これで殆どは駆除出来ますが、以下の2例も追記しておきます。
  2. ホルマリン100ppmで10分間の薬浴
    水槽投入の場合は20ppm散布
  3. 過マンガン酸カリウム5ppm1時間薬浴

等のいずれか一つで比較的簡単に駆除出来ます。
 

予防

 目で見えない場合が多いですから体表に異常が無い場合で、泳ぎや動作が鈍く餌食いが悪い時は塩水薬浴をして様子を見て下さい。場合によっては2〜3回行なって下さい。

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