ギロタグチルス病
ダクチロギルス病

 扁性動物の吸虫類で単世代吸虫であるギロダクチルス、ダクチロギルスが鰓寄生及び皮膚寄生しておこる病気です。

原因と特徴

 これらの吸虫類は単独寄生と複数寄生がありますが、殆どの場合は複数寄生と考えて差し支えないです。発生は高温水時の流れがある場合が多くあります。
ダクチロギルスは卵を生んで増殖するのですが、ギロダクチルスは卵胎生で直接生まれ増えていきますが、魚体から魚体へと接触時に感染していきます。水中では少ししか生きられないのです。どちらも雌雄同体で、よく似ているのですが、違いはダクチロギルスの方は顕微鏡の30倍程度で見ると黒い眼が4つ見えます。
 ギロダクチルスにはこの眼がありません。また、二世代まで胎児が存在しますから三代虫という別名があり、この虫が寄生された方が体表からの粘液が多くでるようです。

 ギロダクチルス、ダクチロギルスは肉眼では確認し難い(確認は顕微鏡で行う)もので、それは鰓に寄生する場合が多く見えないからです。体表寄生でも見つけ難いです。大きさは0.2〜1.0ミリ程度で、細長い形をしていてカギと吸着器のようなものによって体表や鰭、鰓に寄生します。

症状

 まず、餌を食べなくなってきて、鰓寄生されると鰓の呼吸回数が普通の時と比べて増え、鰓の開きも大きくなってきます。重症時には鰓からの粘液が多く分泌してきて死亡します。

対策

 魚体についてきて持ち込むことが多いですから水槽に入れる前に薬浴を行って一週間程度の検疫をするのが良いです。それは卵や幼虫時に魚体について持ち込んだ場合の配慮からです。ディスカス等の東南アジアから輸入されるものには比較的寄生していると考えて対処するのも良いです。

治療はトリコディナやキドロネラと同様の治療で行います。それは、トリコディナ(サイクロキータ)、キドロネラ(2分裂で増える)と一緒に寄生されることも多くあるからです。更に効果がなく魚体の状態が悪い場合は次の順番で駆除をしてください。

  1. 塩水で薬浴してから様子を見る
  2. 成分にトリクロルホンが入った薬品で水槽に0.3ppm(マゾテン)のでの散布。
    (トリクロルホンは使える魚種や使用温度、pHが限られていますから薬品のデータを参照して下さい。)
     以上でも調子が悪い場合は鰓寄生でかなり深くまで入り込んでいるか、鰓の粘液が多くなっていると考えられますから2回ぐらい行って下さい。
  3. トリクロルホン(マゾテン)0.5ppmでの12時間薬浴
    殆ど駆除できます。重症の場合はこの時も2回行います。
    この場合は飼育水槽の熱湯消毒をしておくとよいです。
      

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