水草の就眠運動

ここでは水草の就眠運動について説明します。
有茎草を一度でもきちんと育てた事がある人にとっては、全く珍しくも何ともない水草の活動ですが水草の活性状態を知る上ではかなり有効な情報です。

有茎草(茎と葉が有る草)の多くはこういった運動を行います。
中には有茎草でも全く変化の無い種類もありますが7割以上の有茎草はこの様な運動をすると思います。

就眠運動をする草は状態が悪くない限りは同じ様な運動を必ずするはずです。
要するに、他人の水槽で就眠運動をする草が自分の水槽では全く就眠運動をしないとすると、それはすなわちその草の状態があまり良くないと言うことを表しているのです。

新しく買ってきた草の状態をいち早く見極めるためには購入時に「この草は就眠運動をよく行う種類ですか?」と聞いておけば、植えた直後からそれを目安に草の状態を知ることが出来ます。

水槽の状況が変化して調子を崩した場合なども、それまで活発に就眠運動をしていた草の活動が鈍くなる場合が多いです。
症状的には就眠運動が鈍くなる→頂芽などの白化現象、と悪化します、従ってこれをチェックすることで白化現象が現れる前に発見することが出来るのです。

以下にうちの水槽でのミリオフィラム・エラティノイデスの運動を紹介します。
ちなみに照明時間はPM1:00〜PM11:00の設定となっています。

正午の状況です。
照明が点灯する前にはこの様な格好で草は眠っています。

PM2:00の状況
点灯と同時に目を覚まし徐々に葉を開いて、点灯後1時間でほぼ通常の葉の開きになります。

PM4:00の状況
人間で言うと丁度お昼ご飯の頃でしょうか。
光合成活動が最も活発になる頃でしょう。

PM9:00の状況
消灯まではまだ2時間程度有りますが、葉はすこし閉じかかってきています。

PM10:30の状況
消灯前30分の状況です。
もう草が「おやすみ〜」と言っております。
光を照射しているにもかかわらず草の方が先に寝に入ると言うことは、これでこの草にとっての一日の必要な光合成活動は完了していると言うことを意味しています。

こういった活動を見ても分かるように水草も時間を感じて一日の生活サイクルを持っています。
照明時間を(出勤前に餌を与えたり観賞したりするために)朝30分とか1時間点灯して消灯して、午後から夜までまた点灯するといった一日に2回の点灯/消灯を繰り返す設定にされている事もまれに有るようですが、こういった草の生活サイクルのことを考えると点灯と消灯は1日に1回にした方が良いのではないかと思います。
(経験的に判断すると1日に2回の点灯/消灯でもそれほど悪影響は無いようです。でもあなたが毎晩午前3時に一旦目を覚まさせられる生活をさせられたとしたら・・・)


よしを’sホームページへ